もしも我が前任者が長生きしたとしても、あの時代、皇帝暗殺の小説など書くことはできなかったに違いない。そうであるが故になおさら、我々は今こそ、十三年後の出来事、第二の物語を明らかにしなければならないのだ。
コーリャはもちろん、第二の物語に重要な役割で登場する。彼の生い立ちにあった奇妙なエピソードの数々も、その謎が明かされる。大砲のおもちゃも、鉄道の肝試しも、ガチョウの首のエピソードも、犬の訓練も、何もかもだ。その終着点に我々は驚きを禁じ得ないが、どうやら私は少しばかり先を急ぎ過ぎたようである。まずはアリョーシャとコーリャが再会する場面から始めよう。それはモスクワ市内の、ある危険な飲み屋街でのことだった。